採用情報

プロジェクトストーリー

KAWASAKI
DELTA
カワサキデルタ

2021年4月、JR川崎駅西口に街区全体完成した「KAWASAKI DELTA」。
延床面積は13万㎡を超え、JR東日本単独では最大のオフィス床面積を持つ、大型の複合開発プロジェクトです。
このプロジェクトにJEBL社員が計画から運営までどのように関わっているのかご紹介します。

開発概要

「KAWASAKI DELTA」(以下、川崎プロジェクト)は2020年5月にホテル棟が先行開業し、2021年5月にJR川崎タワー(オフィス棟・商業棟)の開業を迎えました。
JR川崎タワーには、オフィス、コンファレンス、認可保育施設、商業、フィットネスの用途が設けられ、敷地面積は約1.2万㎡、延床面積は約13.7万㎡もの大型の複合開発案件です。

STORY 1オフィスニーズを
自分で見つけ後押し
入居してくださった
企業のお役に立てれば
― プロジェクト推進

JR東日本単独では最大のオフィス床面積を持つプロジェクト

JEBLは川崎プロジェクトに2013年頃より本格的に参画し、私個人はJR東日本に出向していた2015年から参画しました。

着工すればJR東日本単独では最大のオフィス床面積を持つプロジェクトです。都心よりオフィスマーケットが小さい立地で、本当にプロジェクトが成功するのか? 参画当初はプロジェクトの着工は未定でしたが、JR東日本が慎重に事業採算を見極め、投資判断に至る貴重な過程に関わることができました。

川崎プロジェクトの開発チームは、計画地に作る建物の規模、そこに盛り込む用途や全体のバランスを取りまとめるのが仕事です。私のいた部署はオフィスの専門家という観点から川崎というマーケットを俯瞰し、ビルの競争力や期待できる賃料水準などの分析・アドバイスを求められる立場です。開発チームも私自身も、当地で十分なオフィス需要があるか、プロジェクトの事業採算は大丈夫か、確信を持てずにいました。

100社以上を地道に訪問、投資決定を後押し

川崎は都心よりオフィスマーケットが小さい立地だけに、JR東日本として投資判断の肝は、オフィス需要の見極めでした。当然、調査会社のマーケットレポートだけでは着工のゴーサインは出ません。たっだら自分で営業して実名のオフィスニーズを見つけてプロジェクト着工を後押ししようと思いました。

川崎に関心を持ってもらえそうな企業をJEBLでリストアップし、紹介してもらい、これまでのJEBLでの水面下の営業活動だけでなく、自身の新規顧客訪問を含め、1社1社、地道に通いました。手作りのプレパンフレットを持ち、同僚と私で100社以上訪問し、最終的には数社が関心を示してくださいました。そのリストを開発チームに預け、最終的には投資決定、プロジェクト着工にゴーサインが出ました。

テナントの入居で不動産の価値が生まれる

一番の思い出は後にJR川崎タワーの入居企業でファシリティを担当する課長さんとの関わりです。2年半掛けて訪問を重ねオフィスの統合移転が具体化したものの、条件交渉に入るタイミングで出向期間を満了、JEBLへの復職が決まりました。最後の訪問時に異動を伝えたところ、送別会を開いてくださることになり、会社同士の契約関係もない段階でのお誘いだったため大変ありがたく、思い出に残る出来事でした。

不動産の開発は、ビルが建っただけでは誰も使っていない鉄筋、コンクリート、ガラスからなる建造物でしかありません。それを実際にテナントさまにご入居いただき、ご使用いただくことで初めて不動産の価値が出てくると思っています。ですので入居してくださった企業のお仕事に我々も微力ながら役立てていると思うと、本当にありがたく思います。

芝原 友慶(シバハラ トモヨシ)
2013年入社
総合企画本部経営企画部

大手総合不動産会社にてオフィス営業、ファンドの運用等を経験し、当社へ入社。

2013年ビル品質管理部配属。ビルの環境関連法令への対応方針の策定のほか、当社基幹サーバーのデータセンター移設等の情報システム管理も経験。2014年東日本旅客鉄道㈱出向。不動産・オフィス担当としてJRの新規開発プロジェクトを側面支援する傍ら、オフィス事業の市中展開戦略を策定。2017年当社復職、経営企画部配属。当社の本格的なデベロッパー事業進出を中長期計画に盛り込むほか、ワークスペース「STATION SWITCH」の開業準備・運営にも従事。

STORY 2現地視察から
リーシング、契約まで
馴染みある街に関われる
喜びと感動
― リーシング

JEBL初の大型商業施設リーシングで自身も営業企画初担当

川崎プロジェクトには入社4年目の2019年、営業企画部へ配属になったタイミングで参画しました。竣工する2年前です。JEBLでは初の大型商業施設のリーシングとなりましたが、私にとっても初めてリーシングを担当する物件となりました。

主に担当したのは商業棟飲食店舗のテナント誘致です。また商業エリアの開発コンセプトの見直しやターゲットの再検討など、開発面でも営業担当として携わりました。

プラン作成、情報収集、視察と分析、リーシングそして契約まで

リーシングの経験がなかったので不安はありましたが、横浜出身の私にとって川崎は、学生の頃から訪れていた馴染みのある場所だったので、不安よりは楽しみな気持ちのほうが大きかったと思います。

まずターゲット選定のために現地視察を行い、MD(マーチャンダイジング)を基にどんな店舗を誘致するかプランを作成しました。次にJR東日本のグループ会社等の商業に長けた会社と情報交換・情報収集し、実際に店舗視察を行って分析を加え、リーシング用のツールを作りました。それから飛び込みやテレアポなど、さまざまな方法でリーシングを行い契約の締結という流れで進行していきました。

自分の足で実地調査、完成に大きく感動

営業企画部に配属されたばかりで、経験も知識もなかったため、最初は苦戦しました。ただ、上司からは「自分で考えた通り動いてみなさい」と声をかけていただいたこともあり、気になるお店があれば次々とご案内のメールを送ったり電話をかけ、実際に足を運んで食べに行き──と、分からないなりに行動しているうちに何となく“やり方”というものが見えてきました。店舗調査という名の食べ歩きで4キロ太ったり(笑)、何度かミスもありましたが、契約を締結することが決まった時は本当に嬉しかったです。さらに出店が決まった店舗の内装工事が完了し、開業前のお披露目として館内を見た時には、紙に描かれた平面状のモデルが目の前に出来上がっていて感動しました。もちろん、今もその感動を忘れることはありません。

岡本 奈実(オカモト ナミ)
2016年入社
営業本部営業企画部

2016年第二ビル事業部(現:第一エリア事業本部)配属。サピアタワー等のビル運営管理に従事。2019年営業企画部異動。川崎プロジェクトの商業リーシングを担当。現在は自社開発物件JR目黒MARCビルのリーシングを担当。

STORY 3竣工からビルが
円滑に運営できるよう
10年・20年先の
ビルとお客さまへ向けた仕事
― 運営管理

10年・20年先のビル運営を見据えた仕事

私は建物竣工を1年後に控えた2020年4月、ある程度ビルの建設が進んでいる段階でプロジェクトに参画しました。

オフィス、商業、フィットネスなど各用途に入居するテナントさまのサポートや運営ルールの策定、協力会社選定のコンペティション、ビル内の什器の選定や購入など、ビルの運営に関わるさまざまな業務に携わりました。私たちの決めたことが10年先、20年先のベースになっていきますので、それを見据えて円滑な運営管理ができるよう、ルールや考え方の基礎を慎重に検討し進めてきました。

テナントとのリレーション構築と円滑なビル運営が使命

最初はまさか入社3年目で新規開発案件に関われるとは思わず驚きました。大きなチャンスを掴んだ期待感と同時に、社歴の浅い自分に務まるのかとても不安だったのを覚えています。

ビル事業部最大の使命は、テナントさまとのリレーション構築と円滑なビル運営です。テナントさまが望んでいることを汲み取って運営ルールを定めたり、効率的な運営管理をするにはどうするべきか──。施工会社からしっかりと引継ぎを行いながら円滑なビル運営ができるよう努めてきました。

大型商業施設を運営管理する難しさと嬉しさ

JEBLが大型の商業施設を直接運営管理するのは、JRさいたま新都心ビル以来のことで、会社としてもノウハウが少なく手探り状態で大変苦労しました。商業テナント各社の営業終了時間が異なるため、「“最後のお客さまが帰られました”という連絡はどうしたら良いですか?」とテナントさまから聞かれたときには、恥ずかしながら「え?そのようなことをするのですか?」と、この時に初めて知りました(笑)

そして迎えたグランドオープン。商業エリアの開業を1つの目標としていたので、開業初日に各店舗前にお客さまが長蛇の列を作っている光景を見た時は感動しました。にぎわいづくりに貢献できたという実感もわきましたね。

小林 華子(コバヤシ ハナコ)
2018年入社
第三ビル事業部

2018年第四ビル事業部配属。JR品川イーストビルの運営管理を経験し、2020年に川崎プロジェクトに参画。2021年 第三ビル事業部異動。メトロポリタンプラザビルの運営管理を担当。

STORY 4自分でできるか
不安に駆られた大型開発
関係部署との
協力・連携で乗り越えた
― 開発支援

ソフトとハードの両面でプロジェクトを開発支援

2012年に新卒にて入社後、最初に配属された部署が現在の投資開発部でした。そして第三ビル事業部へ異動し、ビルの運営管理を経験しました。2017年に再び投資開発部に異動し川崎プロジェクトに参画しました。

私は主に開発支援という立場で、ビル全体のセキュリティ計画やエントランス、外装、内装等、建物計画などのハード面と設備・警備・清掃などの協力会社さまへの業務委託スキームの構築や管理費の積算といったソフト面の両面を検討し、JR東日本や設計会社さまなどと協議・調整を行ってまいりました。

入社6年目で大型開発に携わるチャンスに感謝

延床13万㎡を超える大型開発で、オフィスだけでなくホテル・商業・フィットネスといった多用途で構成された物件でしたので、最初は「自分で担当できるのか」という不安な気持ちが大きかったです。ですが、こんな大型開発に携わる機会を入社6年目に頂けた会社・部署に感謝し、前を向き取り組む決意をしました。

具体的な業務の例をいうと、ビルのセキュリティ計画の検討が挙げられます。セキュリティカードを読み取るカードリーダーを建物内のどこに配置するのか、セキュリティのエリア分けをどのように計画し、防犯カメラをどこに置けば不審者を検知して、ビルの安全を確保し、テナントさまに安心を提供できるのか──。当社は常日頃テナントさまと接し、お声を聴いているためオフィスに関するノウハウを多く有しています。そのノウハウを活用し、JR東日本や設計会社にアドバイスをしています。

川崎プロジェクトにおける各業務の委託先を選定

一番嬉しかったのは、試行的に取り組んだ業務委託先選定を完遂させたことです。ビルの開業にあたり、設備保守会社、警備会社、清掃会社など各業務の委託先を選定するため、試行的な取り組みを反映した要項書や管理仕様の作成、業務委託先候補のリストアップ、要項書の各社さまへのご説明、見積依頼・比較・評価といった一連の業務を関係部署と協力しながら遂行しました。委託先候補会社さまも業種ごとに複数、全体で数十社に声をかけることになり非常に苦労した部分もありましたが、結果的に川崎プロジェクトにおける運営体制として最適な業務委託先さまへ委託できたと自負しています。

投資開発部は10名程度の部署で先輩との距離も近く、分からないことがあるとすぐ相談ができるので、そこでどんどん疑問を解消し、成長を感じることができました。新入社員として投資開発部へ配属されたときは分からないことだらけでしたが、運営管理も経験し、2度目の投資開発部ということで、格段に主体的に業務を遂行することができ、本プロジェクトを通じて自信がつきました。

大村 倫平(オオムラ リンペイ)
2012年入社
総合企画本部 投資開発部

2012年企画開発部(現:投資開発部)配属。JR大塚南口ビルの開業支援業務を担当。2013年第三ビル事業部異動。JR大塚南口ビルの運営管理およびメトロポリタンプラザビルの工事等を担当。2018年投資開発部異動。川崎プロジェクトに携わる。現在は、品川開発プロジェクトやその他の開発業務等を担当。

STORY 5各社の調整、
理解と協力
難易度の高いビルだからこそ
達成感があった
― 内装監理

こだわりに応える内装監理

川崎プロジェクトには2013年、基本計画の時期から参画し、基本設計を経て、2016年の実施設計以降現在まで参画しています。

具体的には、オフィスの商品企画や運営管理面からアドバイス業務です。入居テナントが決まってからは、入居工事の設計・施工に関わる各社との調整や技術的な検討、入居までの全体スケジュールの調整を行うオフィス内装監理業務にも携わりました。

最近のトレンドとして、社員食堂や役員応接フロア、会議室など、特殊な内装にしたい、こだわりを持った空間としたいというニーズが多く、それらのご要望に対しどういった対応ができるか工事調整を行うのが内装監理業務です。

建物建設工事とテナント内装工事が同時進行

当社の運営管理物件の中でもトップクラスの賃貸面積となるビルですが、2013年に私が本プロジェクトに参画をした時点においては入居テナントもまだ決まっておらず、これまでの業務経験の中でも相当難易度の高いビルになると感じていました。

その後、建物工事の前に入居者が決定し、本体建物の建設工事と同時に内装工事を行うスキームとなりました。そのため、建物工事と並行して入居工事も進めていくことが必要になったので、事業者、設計会社、施工会社、テナント、テナント側の設計会社と施工会社といった関係各社の調整を行いながら進行させていくのがかなり大変でした。

テナントの理解と協力を得て工事の達成へ向かう

事業者、当社としてご要望にお応えできること、できないことがありますので、テナント側の関係各社にをしっかりと説明し、ご納得いただきながら進めていきました。

一方で、建設工事の関係者にご協力いただかないとテナント入居工事が目標期日までに達成できないため、スケジュールを重要なマイルストーンとして設定し、調整を行いました。 建設工事の関係者とテナント入居工事の関係者それぞれに共通の目標を持っていただき、皆でその目標へ向かっていくのは大変な業務ではありましたが、自身がドライバーとなって工事完遂できたため、建設工事と入居工事が完成したときの達成感は格別でした。また、入居テナントの皆さまが喜んでいる姿を見たときに、“やって良かった”と、このプロジェクトへの参画に喜びを感じましたね。

原本 智紀(ハラモト トモノリ)
2005年入社
技術本部技術開発部

2005年サピアタワーの開業準備、オフィス・店舗の内装監理業務に携わる。2010年投資開発部異動。JR南新宿ビル、JR神田万世橋ビル、JR大塚南口ビル、JR新宿ミライナタワー、JEBL秋葉原スクエア、JRさいたま新都心ビル、ウォーターズ竹芝、JR川崎タワー、JR目黒MARCビルの開発支援、開業準備、内装監理業務に携わる。2020年技術開発部異動。JR川崎タワーの内装監理業務に携わる。

大規模なプロジェクトに関わって

芝原:JR東日本グループにおいて、JEBLはビル運営に関するノウハウがあり、お客さまとさまざまな場面で接し、直接お声を聴いているため、その知見、ノウハウを活かすことへの期待は非常に高いとプロジェクトを通じて感じました。

岡本:開業時は新型コロナウイルスの影響もあり、商業へ来店されるお客さまが少なかったですが、地域の方々、オフィスワーカーの方々に利用していただいている風景を見ると、自身の地元地域にできた川崎プロジェクトに携わることができ、人生の中でも貴重な経験でした。

小林:開業してから半年程経過した頃でしょうか。試行錯誤を繰り返し、ようやく安定した軌道に乗せることができホッとしました。建物は造って終わりではありません。テナントさまにご入居いただくことでビルが生き、快適にお過ごしいただくよう最善を尽くすのが私たち運営管理者の役割です。引き続き更なるテナントさまの満足度向上のために、より良い運営管理に努めます。

原本:テナントの内装工事を、入居テナントと工事会社、建設工事の関係者、JEBLでさまざまな策を練り、スピード感をもって竣工させることができました。お客さま第一を念頭に考え、業務に努めたことが結果につながったと思います。

大村:設計会社、施工会社、協力会社、各用途の運営会社さまと、さまざまな方との協議・調整そしてご協力があり、壁を乗り越え開業を迎えられたと思います。今回の経験とノウハウを今後の新たなプロジェクトでも活かしたいです。

小林:JEBLは運営だけを行う会社ではなく、また開発だけを行う会社でもありません。開業した後も何十年とビルを運営管理することができ、お客さまとも長くお付き合いができるところがJEBLの魅力だと思っています。

芝原:自身のプロジェクトへの参画と、プロジェクトメンバーの話を聞き振り返ってみると、やはり皆で繋いだバトンだと感じます。建物が竣工するまでの間も長きにわたる時間とさまざまな人が関わり、さらに運営管理へと続きます。この仕事の醍醐味は、チームで一つの大きなゴールを手繰り寄せることです。そして、これからもバトンは続きます。

インタビュー内容・所属は2021年インタビュー時のものです。

物件紹介:JR川崎タワー